・令和4年10月07日

10月07日(金)
<「ドン・ファン」CD>
R・シュトラウス交響詩「ドン・ファン」&「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」/ハイティンク/アムステルダム/PHILIPS/17CD-13/CD/1973&1981/ADD&DDD/16:33&14:57

「ドン・ファン」」CD
 
 ハイティンク/アムステルダムが四連荘どころか五連荘になってしまいましたが、良いものを選んで聴いているのですからこのようなことが起こっているのでしょうがありません。今日は「ドン・ファン」がアナログ録音で「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」はデジタル録音の初期に位置するものです。デジタルになったことで飛躍的にSN比とダイナミックレンジが良くなりましたが、CDの規格を決める時に周波数特性を20Hz〜20KHzに限定したことが失敗だったので、人間の耳には聞こえなくとも響きには影響をもたらす倍音や三倍音などの存在を無視してしまいました。デジタルの宿命である事前に範囲を決めてから規格というものを設定し、関連する機器などがこれに準じたものを作り上げていくことから、想定を超えた場合はクラッシュ状態に突然襲われることになります。アナログの場合は雑音を始めとする要らないものも含まれてしまうことから、SN比とダイナミックレンジが低下してしまうので、どちらを良しとするかは個人の判断で選択すればよいのではないでしょうか。近年のデジタル技術は格段に向上しているので、もしかすると理想の新たな規格が生み出されるかも知れません。しかし生の原音がどれだけ良くとも、演奏会場としてのウィーンのムジークフェラインザールや、アムステルダム・コンセルトヘボウのような響きを創り出すことはできませんので、録音技術による制作過程で過去にも数々の新技術が試され続けても、未だに会場の響きをコントロールすることには至っていません。