McIntosh MC2500<McIntosh MC2500>
 MC2500は何と言っても小音量で聴いていても音が痩せることが無く、だからといって暴れん坊でもありません。大満足の日々を送っていましたが、ある時普段聴いている音量より一段階コントロールアンプのゲインを上げました。すると高域と低域のバランスが悪くなり、響きが無くつまらない音になってしまいました。普段はセレクタースイッチ以外は何も弄ることはせず、更に音量も固定していましたから何が起こったのか理解できませんでした。音楽を聴く時と調整の時を普段から完全に分けて行っていましたので、レコードを聴きだしてから途中で止めることなどはせず、悪いときはそのままで通して聴き終えてから対処方法を考えるというものでした。安直にトーンコントロールなどで補正する事などはもってのほかであるという考え方は頑固一徹に続けています。細かく調節が出来る大型のアッテネーターを購入したりもしましたが、高域と低域の混じった信号を一つの調整でコントロール仕切れないことが原因でした。聴感上の音量は高域と低域では差が生まれるので、2Wayや3Wayのネットワークを介して生まれてくる音のハーモニーに大きな影響が出てしまいます。
周波数設定ボード 私はLPレコードの殆どがグラモフォン盤ばかり聴いていましたが、時々CBSソニー盤などを聴こうとすると全くつまらない音色に嫌気がさして、「何でこんなレコードを売っているのか!」、「何でこのレコードの評判がいいのか分からない?」と思ってしまうことが良くありました。これが制作メーカーによる録音レベルやプレイバック・システムの違いから発生してしまうことによる、微妙な響き方が問題であることに気がついてから解決方法を探ることを続けました。当時から一部のマニアがマルチチャンネルと称するシステムを構築していましたが、コントロールアンプから出力された信号を、チャンネルデバイダーによって分離した高域と低域を個別のパワーアンプによって増幅するというものでした。ネットワークでは微調整できないものを、メーカー間での音量違いばかりではなく、曲の趣によって小音量で聴きたいものや大きな音量で聴きたいもの、それぞれの理由によって微妙な高域と低域の間に生まれる実際の聴感上の誤差を、補正してあげれば良いのではないだろうかという結論に行き着きました。
 これを行うにはアンプも大事だがチャンネルデバイダーが重要な部分をコントロールする訳なので、特性上良質な機器を選択しなければならないとアキュフェーズに相談して同社Fー15を選択しました。

 クロスオーバー周波数の設定などやパワーアンプは同じものがベストであるご意見を尊重し、MC2500をもう一台購入してシステムを構築することになりました。アキュフェーズのパワーアンプは最初から構想に入っていないにも関わらず、相談に快く答えてくれた技術者のお陰で現在のシステムがあります。